英語での民間テストの利用が延期されました。

英語の民間テストの入試での利用が延期されました。
高2生は、振り回された感じですが、粛々と勉強を続けて行きましょう。
その前になぜ英語試験を変えることになったのか?そこから考えて、今後の英語をどうするか考えてみましょう。

最初は大学側の問題

大学はブローバル間競争が激しくなっています。特にアジアでは、シンガポールや中国などの大学が伸びてきて素晴らしい人材を囲い込んでいます。日本としても、世界に開かれた受験にして、世界中(特に東南アジア)から優秀な人材を採りたいという思惑があります。

そうすると今までのような受験ではダメですね。
そのため東大が9月入試を言い出したわけです。(←最初の頃ですね。今は落ち着いてます。)
そして、この頃に、高大接続問題とも言われ出しました。つまり大学で欲しい人材と、それを供給する高校との剥離です。

オリンピック問題が浮上

その後、2020年の東京オリンピックが決定。ここで英語教育の流れが変わってきます。

このあたりから、4技能がさかんに言われるようになりました。
(言語学の世界では、今では5技能なのですが、なぜか4技能です。)

つまり、「話す」「聞く」をどうにかしたいということです。
日本人は、大学卒まで考慮すると10年間、英語の勉強をしているのに話せないのはおかしい!という議論です。

「話せる」ということが、どういう意味、どんな文脈で使われていたかは、分かりませんが、アメリカだと3歳児でも英語話してますし、私は英語はカタコトですが、世界の大学と対等に話しをして、包括協定まで結んでます、何か仕事での英語というのなら、今でも十分にやっていけれますが・・・!と思うのですが、目的すらはっきりしない中で、国は、4技能に舵をきっていきます。

一応、私の聞くところによると

〇海外の人が日本に来た際、カタコトでも良いので案内くらい出来るレベル
〇海外に日本の商品を売ることが出来るレベル
〇海外に日本人や日本の立場を堂々と主張できるレベル(国連で話せるレベル)

くらいに分けて考えているのでは?という話でしたが、定かではありません。

ただ少なくとも「学問」「教養」としての英語から、「スキル」としての英語に変わっていったのは事実です。

民間教育の問題が浮上、そして頓挫

英語のスキル化を求めたのは、実は、「経済界」です。文科省ではありません。

ちょうど楽天の公用語を英語にしたというニュースが流れた頃です。
そのスキルをどう判断するか?ということで民間英語テストの活用を言い出した人がいます。(書きませんが)
それを「教育機関」に求めたわけです。

しかし、ここで大きな矛盾が生じます。

大学は、最高学府であり研究機関。(なので就職など、そもそも関係ない。)
一方、経済界は「使える人」が欲しい。

ここから大学の就職予備校化が始まります。

同時に、偏差値から大学ランキングへと基準も変わっていきます。
これにより、地方国立大は、大企業への就職が難しいため(場所の問題も多いにありますが)
全て下がり、結果として地方の経済、政治等を担当する「地域共創」部の設立を求められました。

一方、東京の私立は大企業への就職が強いことから、一気に難化が始まります。

本来、これらは、文科省が求めたものではありませんが、しかし、ここに来てB社が登場します。

今まで、まったく実績のなかったGという(実は20年前からあるのですが)を持って
民間テストとして入り込んできます。そして、一気に事情が動きます。

多くの高校でGをやり、Gにお金を払い、気がつけばすべてB社が握ることになりました。
しかも一般企業ですので、センターと異なり、過去問にも高いお金が必要です。
しかも自社で対策もするというかなりチャレンジャーなことをしてました。
(入試に使う場合は、著作権放棄を求めるべきでしょう。一種の公文書扱いのはずですから。)

同時に、一方でメインの1つであるTOEICが抜けます。この時点で、流れることが予想できました

そもそも論から言えば

そもそも論から言えば、日本人の英語スキルが海外と対等になるかどうかという話でした。
また日本の大学も優秀な人材を海外から採りたいわけです。

経済界は、既に留学生や海外での人材獲得などにシフトしたことで、英語の件は、一旦、横に置いてる状況です。
(ちなみに、トビタテ留学ジャパンは、民間の資本です。)

なのに英語改革の名前だけ残ってしまったわけです。

そしてここからが問題です。

英語改革を考えると、あくまでも海外のレベルと並ぶだけのスキルを求めることです。
Gは、日本ローカルテストですので、海外では認められていません。
海外の入試に使えるテストでないと、そもそも意味がないわけです。

すると(TOEIC)TOEFL、IELTSが候補になります。
TOEICは日本、韓国などで使われているだけですので、

(ここからは、私の予想)

新しい英語のテストは、TOEFL、IELTSの問題に寄せてくるのでは?
と考えています。(そのままのテストは高いのと、受験できる場所が少ない)
そして問題は、外国の団体も入れてコンソーシアムのような形での問題作成になるのかな?と
考えています。

ですので、時間があればですが、TOEFLやIELTSなどの問題にも触れておいて下さい。
単語1つにしても、注意しながら解いておいて下さい。