志望大学に編入学するには?

私の生徒で北海道大学への進学を希望していた者がいます。
彼は、現役時代も勉強を頑張り、北海道大学を受験したのですがセンターでの失敗で残念な結果になり、後期で地元国立大に進学しました。

しかしその後も、塾にひんぱんに顔を出し、2年後の【編入学】に向けて再度チャレンジのチャンスにかけることにしました。

結果として彼は、大学3年次に約30倍の競争倍率を勝ち抜き、北海道大学に進学、現在は、大学院生になっています。

大学編入のための合格ロード(まずは情報収集)

まず一番大切なものは、情報です。
編入試験は、多くの大学で実施されているとは言え、大学によって、クセがありますし、思った学部に、ストレートで行けるかどうかも分かりません。そのため、彼は、後期合格の直後から、編入学試験を目指して情報収集を始めました。

編入試験には、

●2年次編入
●3年次編入

とあります。かなり荒い説明で申し訳ありませんが、文系の場合、2年編入があり、理系は、一般的に「専門」がスタートする3年次編入が多いですね。文系の生徒で某私立大からの2年次編入を目指して、旧帝大を受験しました者もいましたが、編入学試験の倍率が高くなっていること(受験者が増えていること)大学の合格基準が上がってきていることから、その生徒は、残念ながら編入学は叶いませんでした。(ただし就職試験では、全部から内定が出て、超一流会社に就職しました。これは、また別の機会に書きますね。)
※一般的に国立大全部での平均編入学試験は、約3倍と言われますが、これは、高専などを別枠で取る部分を計算していないこと、また大学間で倍率がかなり変わることなどから、あまり当てに出来ません。旧帝大なら30倍くらいを中堅国立でも7~10倍くらいを覚悟しておいて下さい。

さて、最低限の情報とは、以下の内容です。

●編入学試験を実施しているかどうか? おおまかな日程は?
●自分の大学から受験出来るかどうか?(資格の問題)
●希望する大学、学部にストレートで入れるか?1年遅れるか?

編入試験は、全ての大学が実施しているわけではありません。多くは、欠員補充の意味合いが大きいからです。また近年は、実施していても合格者なしということもあります。(入学基準を引き上げているわけですね。)まず希望する大学の動向をしっかりと確かめてください。日程は、夏(6月下旬)~冬(11月)まで長期に渡ります。
国立大でも日程がバラバラですので、いくつかの大学を受験することが可能です。
そのため、多くの生徒は試験慣れということもあるでしょうが、複数の大学を受験するということが多いようです。

もう1つは、自分に受験資格があるかどうかです。

大学によっては、4年制大学からの編入は認めていない大学もあります。(高専、短大は可能)
また単位を今いる大学でしっかり取れているかどうか?成績はどうか?ということもチェックしておく必要があります。

ついでに言いますと、

●今いる大学の指導教官などにも話を通しておくこと

も大事です。理系ですと研究室などが決まる時期だったりします。そこで希望する研究室がかちあったり、教授によっては、この生徒に来てもらいたいなどと色々と思惑が動く時期です。また編入試験において、多くの場合、その大学で学んだことだけで勝負出来ることは希です。(特に理系の場合)大学の先生に勉強を見てもらうことがあるかもしれません。ある時期がくれば、筋を通しておくことは、大切です。

過去問と受験までの計画

まず受験勉強ですが、早ければ早いにこしたことはありません。一般的には、半年~1年くらいの勉強時間を確保した生徒が多いようですが、大学での単位を取りながらです。しかも大学生となると、アルバイトや、サークル、学部の友人の付き合いなど色々な誘惑が多いわけですので、早めに動くことに越したことはありません。

さて次に【過去問】です。

これは、大学によっては、販売されていたり、ネットで見れたりと色々です。大学によっては、直接、大学に来てた者だけの閲覧可というところもあるようです。まずは、ネットで検索し、過去問を必ずゲットしておいて下さい。
そして、その上で、

●今の大学の勉強だけで合格出来るかどうか?

をシビアに判断してください。私の生徒は、今の大学の内容だけでは無理との判断で、図書館で様々な専門書を借りて、一部、分からないところは、私どものスタッフが対応して勉強に励みました。案外と何を勉強したらよいか?どのレベルまでやっておくべきか?ということが分からない生徒が多く、編入試験も「受験」ですので、現役と同じくらいの熱量で編入試験にあたって下さい。
中には、編入試験は、簡単とか書いてあるサイトもありますが(受験科目は少ないでしょうが)、今は、そうでもありません。常に最新情報を集め、あくまでも受験との認識で対応しましょう。

試験内容は、

●専門
●英語
●志望理由書
●面接

となっている所がほとんどです。理系と文系で多少異なるかもわかりませんが、ここで強調したいのは、筆記試験が出来なくて合格することはありません。編入試験は、AO入試と違いますので、まずはテストが出来ることが大切。

私の生徒の場合、英語は一定レベルで出来ていましたので、後は、北海道大学の編入試験レベルまで専門を引き上げることだけでした。面接の練習はゼロ。志望理由書は、書いたものを見た程度です。(矛盾点がないか?きちんと意思が伝わるか程度)

高専生の場合は、英語の指導が多く入りますが、大学生で英語が出来ないと編入は厳しいです。(特に一流大学へは)
その場合は、2年間の猶予をもらったと思い、もう一度、大学受験の参考書類から学習することが大事です。

最終的に英語も専門の英語になりますので、一定レベルの基礎学力がついたら、後は、大学の過去問を調査した上で、様々な論文やTimeなどに常に目を通しておくことです。

文責:フォーサイトオンライン代表:河野 優

現在、学習塾、オンライン教育、留学なども手掛ける。また配下の社団は、実施している教育内容が高く評価され、マレーシア、中国の国立大学との包括協定を結んでいる。